位相が変わると、
音は違って聴こえる?
第2回:音楽を使った低域の位相シフト
第1回では、正弦波と調波複合音を使って「位相だけが変わると、音は違って聴こえるのか?」を体験しました。今回は、そのときと同じ低域の位相シフト条件を、実際の音楽に加えて聴き比べます。
第1回の調波複合音では、判別できましたか?
それでは、同じ周波数・位相特性の変化を、実際の音楽に与えたらどうでしょう?
調波複合音では、限られた周波数成分の位相関係を比較しました。音楽になると、多数の楽器音や倍音、時間変化が重なります。位相変化による違いは、より分かりやすくなるのでしょうか。それとも、音楽の複雑さの中に埋もれてしまうのでしょうか。
第1回をまだ試していない場合は、先に基礎編を体験してから進むと、今回の違いが理解しやすくなります。
今回の処理 ― 振幅は変えず、低域の位相だけを変える
今回の加工には、振幅周波数特性(ゲイン)はほぼFlatのまま、低域の位相だけを変化させるフィルタを使用しています。
第1回の調波複合音と同様、50 / 100 / 200 Hz付近を中心とした低域の位相シフト条件(±90°)を音楽信号に適用しています。

振幅特性はほぼ0 dBでFlatです。つまり、特定の周波数帯域を持ち上げたり下げたりするEQ処理ではありません。

低域を中心に位相が変化し、高い周波数帯域では変化が小さくなります。変えているのは主に「各周波数成分の時間的な位置関係」です。
振幅特性は同じ。でも、時間波形は変わる
フィルタの振幅特性はFlatでも、周波数成分どうしの位相関係が変わるため、音楽信号の時間波形の形状は加工前後で変化します。

周波数ごとのレベルバランスを変えるEQとは異なり、位相関係の変化によって時間波形の形が変わっています。
実際の音楽で聴き分けられるでしょうか?
音楽・低域位相シフト 比較試聴テスト
Aは常に「基準音」です。Bには問題ごとに「基準音と同じ音」または「低域に位相シフトを加えた音」のどちらかが提示されます。AとBは何度でも聴き直せます。
試聴用音楽音源:Suno AI(Pro Plan)で生成
A:基準音
常に加工前の音楽を再生します。
B:比較音
基準音/低域位相シフト音のどちらかです。
AとBは、同じ音に聴こえましたか?
どこが、どのように違って聴こえましたか?
違いを感じたポイントを、自由な言葉でメモしてみてください。
テストの提示条件を見る
Aは常に基準音、Bは基準音または低域位相シフト加工音を提示します。10問中5問ずつをランダムな順序に並べています。
音源は44.1 kHz / Stereo、約20.3秒です。加工音には、振幅特性をほぼFlatに保ったまま、50 / 100 / 200 Hz付近を中心とした低域の位相シフト条件(±90°)を適用しています。
AまたはBの再生ボタンを押すと、再生中の音を停止し、選んだ音を必ず先頭から再生します。
調波複合音と、音楽。聴こえ方は同じでしたか?
第1回では、位相関係の違いを単純な調波複合音で聴きました。今回の音楽では、楽器音や倍音、時間変化が重なっています。同じ低域の位相シフト条件でも、違いの感じ方や聴き分けやすさは変わったでしょうか。
次のステップ:音楽を使った中域の位相シフト
次回は、位相を変化させる帯域を中域へ移します。低域編と比べて、どのような違いが現れるのかを同じ方法で聴き比べる予定です。
