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Sound Lab Note / Listening Experience

位相が変わると、
音は違って聴こえる?

「位相」は少しイメージしにくい音響用語です。ここでは正弦波と調波複合音を使って、できるだけ数式に頼らずに確認します。最後は、位相だけを変えた音を実際に聴き比べてみましょう。

位相調波複合音比較試聴聴能形成
01

まず、「位相」とは?

最も基本的な波である「正弦波」で考えてみます。正弦波は、同じ形を周期的に繰り返す波です。

同じ周波数、同じ大きさの正弦波でも、波の山や谷が現れる位置をずらすことができます。この「1周期の中で、波がどの位置にあるか」を表すものが位相です。

200 Hzの正弦波 ― 位相だけを変えた例
基準0°
位相0度の200Hz正弦波
位相を進めた例+90°
位相プラス90度の200Hz正弦波
位相を遅らせた例-90°
位相マイナス90度の200Hz正弦波
半周期ずれた例±180°
位相180度の200Hz正弦波

周波数と振幅は同じです。変わっているのは、波の山・谷が現れる位置=位相です。

位相が変わっても、その正弦波の周波数や大きさそのものが変わるわけではありません。
02

実際の音は、いくつもの成分が重なっている

実際に私たちが聴く音の多くは、ひとつの正弦波だけでできているわけではありません。さまざまな周波数成分が重なり合って、ひとつの複雑な波形をつくっています。

今回の比較試聴では、65 Hzを基本周波数として、10次までの高調波を含む調波複合音を使用します。

各成分の位相関係と、合成波形

基準音

位相変更なし
基本周波数65 Hz / -14 dB
基準音の基本周波数波形
2次高調波130 Hz / -17 dB
基準音の2次高調波波形
3次高調波195 Hz / -20 dB
基準音の3次高調波波形
4次高調波260 Hz / -23 dB
基準音の4次高調波波形
5~10次325~650 Hz
図では省略(実際の試聴音には含まれます)
合成波すべてを加算
基準音の合成波形

位相変更音

各次数の振幅は基準音と同一
基本周波数65 Hz / -14 dB 位相変化
位相変更音の基本周波数波形
2次高調波130 Hz / -17 dB 位相変化
位相変更音の2次高調波波形
3次高調波195 Hz / -20 dB 位相変化
位相変更音の3次高調波波形
4次高調波260 Hz / -23 dB
位相変更音の4次高調波波形
5~10次325~650 Hz
図では省略(実際の試聴音には含まれます)
合成波すべてを加算
位相変更音の合成波形

同じ次数の振幅は、基準音と位相変更音で同一です。一部の成分の位相関係だけが変わることで、足し合わせた合成波形の形が変化します。

03

振幅スペクトルは同じ。でも、時間波形は違う

今回の基準音と位相変更音では、各周波数成分の振幅そのものは変えていません。そのため、各成分の強さを表す振幅スペクトル(パワースペクトラム)は同じです。

一方で、成分同士の位相関係が変わるため、時間軸で見た合成波形の形状は変化します。

周波数成分同じ
各成分の振幅同じ
位相関係異なる
時間波形異なる
振幅スペクトルの比較
基準音と位相変更音の振幅スペクトル比較

細い縦線は、音に含まれる各高調波だけを示す線スペクトルです。○が基準音、×が位相変更音で、両者は同じ位置に重なっています。高調波間を線でつないではいません。

時間波形の比較
基準音と位相変更音の時間波形比較

一方、各成分の位相関係が変わるため、合成された時間波形の形は明確に変化します。

では、この違いは
人の耳で聴き分けられるのでしょうか?
04

位相シフト有無 比較試聴テスト

Aは常に「基準音」です。Bには問題ごとに「基準音と同じ音」または「位相を変更した音」のどちらかが提示されます。AとBは何度でも聴き直せます。

できればヘッドホン/イヤホン、または音質の良いスピーカーでお試しください。音量を必要以上に大きくする必要はありません。
QUESTION 1 / 10
正解 0問

A:基準音

常に同じ基準音を再生します。

B:比較音

基準音/位相変更音のどちらかです。

AとBは、同じ音に聴こえましたか?

TEST RESULT
0 / 10

参考:独立した2択10問をすべて偶然で答えると仮定した場合、9問以上正解する確率は約1.1%、10問全問正解は約0.10%です。ただし、このページでは1問ごとに正解を表示するため、途中で聴き方を学習する可能性があります。したがって、正式な聴覚検査や統計的な判定を目的としたテストではありません。

どこが、どのように違って聴こえましたか?

違いを感じたポイントを、自由な言葉でメモしてみてください。

※現在はご自身のメモ用です。入力内容は送信・保存されません。コメント収集機能は、運用体制が整ってから追加する予定です。
テストの提示条件を見る

試聴音は65 Hzを基本周波数とし、10次までの高調波を含む調波複合音です。Aは常に基準音、Bは基準音または位相変更音を提示します。このページでは10問中5問ずつをランダムな順序に並べています。

再生ボタンを押すと、選んだ音を必ず先頭から再生します。別の音が再生中の場合は停止してから、新しい音を先頭から再生します。

05

位相が違えば、いつでも違って聴こえる?

ここが、位相知覚の面白いところです。位相を変えれば、どんな条件でも同じように違って聴こえるわけではありません。

次のステップ:Musicではどう聴こえる?

位相変化の聴こえやすさは、変化させる周波数帯域や音の構成、提示条件などによって変わります。次のステップでは、振幅周波数特性(ゲイン)はFlatのまま、位相周波数特性だけを変化させるフィルタを使ってMusicに位相変化を付加し、実際の音楽ではどのように聴こえるのかを比較していく予定です。